Last Update : 2008/06/xx
XREA.COMのs206サーバー内のサイトは、Yahoo!検索からペナルティを受け、検索結果で常に下位にランク付けされてしまうので、Yahoo!経由向けに用意したHSPミニ講座内のページです。このページは「http://lhsp.s206.xrea.com/hsp_mouse.html」の昔のものです。
Win32 API関数やウィンドウメッセージ(oncmd命令)を利用したマウス関連の発展的なサンプルスクリプトです。HSP3でマウスに関連した標準の命令・関数・システム変数には、下のようなものが用意されています。
名称 | 説明 |
mouse命令 | ポインタ(カーソル)の表示位置を変更。 |
getkey命令 | 左ボタン、右ボタン、中ボタン(ホイールボタン)が クリックされているかを取得。 |
stick命令 | 左ボタン、右ボタンがクリックされているかを取得。 |
onclick命令 | 左ボタン、右ボタン、中ボタン(ホイールボタン)が クリックされた時のラベルジャンプ先を設定。 |
システム変数 mousex | ポインタの位置(X座標)が返る。 HSPの自ウィンドウ内の位置です。 |
システム変数 mousey | ポインタの位置(Y座標)が返る。 HSPの自ウィンドウ内の位置です。 |
システム変数 mousew | ホイールの回転移動量(±120)が返る。 |
システム変数 ginfo_mx ginfo関数 (タイプ0) |
ポインタの位置(X座標)が返る。 PCのデスクトップ画面から見た位置です。 |
システム変数 ginfo_my ginfo関数 (タイプ1) |
ポインタの位置(Y座標)が返る。 PCのデスクトップ画面から見た位置です。 |
HSP2にはllmod.asモジュールを利用したmouse_event命令がありました。HSP3では「llmod3」にも用意されてます。これはマウスを操作する命令(クリック動作)ですが、同名のWindows API(Win32 API)関数であるmouse_event関数を単に呼び出していただけです。
#uselib "user32" #func mouse_event "mouse_event" int, int, int, int ; mouse_event関数 ; 第1パラは動作の種類指定 (以下の数値の組み合わせ) ; $8000=絶対座標 (指定しないと直前のカーソル座標位置が移動量に反映) ; $1=カーソル移動 ; $2=左ボタンダウン、$4=アップ (→足した$6だと左クリック) ; $8=右ボタンダウン、$10=アップ ; $20=中央ボタンダウン、$40=アップ ; $800=ホイール回転 (Windows NT/2K以降) ; 第2、3パラはXY方向の移動量 (×ピクセル数) ; 0〜65535の範囲と決まっているので、1/2すれば画面の中心に ; 第4パラ(ホイール回転を指定している場合)はホイールの移動量 mouse_event $8000 | $1, 65535 / 2, 65535 / 2
#uselib "user32" #func mouse_event "mouse_event" int, int, int, int wait 100 repeat 2000 mouse_event $8000 | $1, cnt, cnt loop wait 100 ; 右ボタンクリック mouse_event $8 mouse_event $10
マウスカーソル(マウスポインタ)の変更です。まずはWindows自体が用意している15個ほどカーソルに変更するサンプルです。カーソルIDの一覧はちょくとさんのページを参照してください。
; マウスカーソル変更サンプルスクリプト (by Kpan) #uselib "user32" #cfunc LoadCursor "LoadCursorA" nullptr, int #func SetClassLong "SetClassLongA" int, int, int ; ウィンドウ全体の場合。 ; LoadCursor関数の第1パラに カーソルID を指定。 ; (32514=砂時計) SetClassLong hwnd, -12, LoadCursor (32514) ; 特定オブジェクト上のみの場合。 ; objinfo関数の第1パラにオブジェクトIDを指定 ; (32649=ハンドカーソル) button "えんど", *exit SetClassLong objinfo (stat, 2), -12, LoadCursor (32649) stop *exit end
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上はあらかじめ用意されているカーソルですが、今度は自前のカーソルを利用する方法です。ここでは、実行ファイルにカーソルファイルのデータを 「リソース」 として埋め込んでおくHSP的には少々特殊な手法を行います。リソースエディタ 「Resource Hacker」 を別途用意してください。そして、適当な任意のカーソルファイルも用意してください。
まずは、実行ファイル(正確に言えば、後に実行ファイルとなるランタイム)にカーソルを埋め込む作業を行います。
で、HSPスクリプトで任意のカーソルを読み込むためのコードを書きます。
; 自動作成オプション指定に先ほど保存した拡張ランタイム(*.hrt)を ; 設定しておきます。 #packopt runtime "hogehoge.hrt" #uselib "user32" #cfunc LoadCursor "LoadCursorA" int, int #func SetClassLong "SetClassLongA" int, int, int ; 実行ファイル内からカーソルデータを読み込み、ハンドルを取得。 ; 第2パラメータが先ほどの[リソース名]で指定した数値「1」です。 hCursor = LoadCursor (hinstance, 1) ; このカーソルをウィンドウに適用。 SetClassLong hwnd, -12, hCursor
これで完成。早速、[コンパイル+実行]をやってみましょう。すると、カーソルは何も変化しないと思います。これは実行ファイルにならないと、実際の効果を確認することはできません。必ず[実行ファイル自動作成]で実行ファイルを生成し、これを起動して確認してみてください。
カーソルファイルは当然ながら複数個埋め込むことができます。もう1つ埋め込んで、それは特定オブジェクト上でカーソルが変わる処理にしてみます。すでに存在するであろう hogehoge.hrt を Resource Hacker で再び読み込み、[リソース名]を今度は 「2」 としておきましょう。そして、上のスクリプトに以下のように追記します。
; 2つ目のカーソルのハンドルを取得。 ; 第2パラメータが[リソース名]で指定した数値「2」。 hCursor2 = LoadCursor (hinstance, 2) ; 例としてボタンオブジェクト。 button "ここの上ネ", *jump ; objinfo関数の第1パラメータでオブジェクトIDを指定 SetClassLong objinfo (stat, 2), -12, hCursor2 stop *jump end
[実行ファイル自動作成]を行って、出力ファイルをチェックしてみてください。これでボタンの上にカーソルがいくと、新たに埋め込んだカーソルが表示されるようになります。
シングルクリックとダブルクリックの判定です。シングルクリックは標準のonclick命令でも可能。ダブルクリックは、HSP2の場合だとちょっと大変だと思いますが、HSP3では楽に実現できます。(→ 参照、HSP開発Wiki)
; 左クリックサンプルソース (by Kpan) ; WM_LBUTTONDOWN (マウスの左クリックされた時) oncmd gosub *lbuttondown, $201 ; [おまけ] ; WM_MBUTTONDOWN (マウスの中央ボタンが押された時) oncmd gosub *mbuttondown, $207 stop *lbuttondown ; 1=左ボタン、3=右ボタン+左ボタン、5=Shiftキー+左ボタン、 ; 9=Ctrlキー+左ボタン mes "左クリック: "+wParam+"" return *mbuttondown ; 16=中央ボタンが押された mes "中央: "+wParam+"" return
; ダブルクリックサンプルソース (by Kpan) #uselib "user32" #cfunc GetClassLong "GetClassLongA" int, int #func SetClassLong "SetClassLongA" int, int, int ; ダブルクリック判定できるようウィンドウクラススタイル変更。(CS_DBLCLKS) SetClassLong hwnd, -26, GetClassLong(hwnd, -26) | $8 ; WM_LBUTTONDBLCLK (左ボタンをダブルクリックした時) oncmd gosub *lbuttondblclk, $203 ; WM_RBUTTONDBLCLK (右ボタンをダブルクリックした時) oncmd gosub *rbuttondblclk, $206 stop *rbuttondblclk *lbuttondblclk ; wparam値に1=左ボタン、2=右ボタンが返る dialog "ダブルクリッッーク! ("+wparam+")" return
いまいち実用性が不明な代物ですが、マウスカーソルのウィンドウ移動範囲を制限します。ウィンドウを移動したりしてしまうと制限は解除されてしまいます。プログラムの終了の際に必ず制限を解除してください。
#uselib "user32" #func ClipCursor "ClipCursor" int ; 制限する画面全体の左上XY座標、右下XY座標 RECT = 100, 0, 200, 200 ClipCursor varptr(RECT) wait 500 ; 解除するには 0 指定 ClipCursor
マウスのポインタ(カーソル)が移動した際に通知されるウィンドウメッセージ「WM_MOUSEMOVE」。
; 自ウィンドウの座標 (by Kpan) ; WM_MOUSEMOVE (マウスカーソルが移動した時) oncmd gosub *mousemove, $200 stop *mousemove ; wparam には 1=マウスの左ボタンを押しながら、2=右ボタンを ; 押しながら、4=Shiftキーを押しながら、8=Ctrlキーを押し ; ながら、16=中央ボタンを押しながら。 title "X: "+mousex+" / Y: "+mousey+" || "+wparam+"" return
; スクリーン全体の座標 (by Kpan) ; (注) エディタの[HSP]メニュー→[HSP拡張マクロを使用する]を要有効。 oncmd gosub *mousemove, $200 stop *mousemove title "X: "+ginfo(0)+" / Y: "+ginfo(1)+"" return
mouse命令でマウスカーソル(マウスポインタ)の表示・非表示の状態を切り替えできますが、現在のカーソルの状態を取得します。Windows 98以降のGetCursorInfo関数を利用します。
#include "user32.as" ; CURSORINFO構造体 dim CURSORINFO, 5 button "消す", *hidden button "表示", *show stoop *hidden mouse -1 goto *check *show mouse goto *check *check CURSORINFO = 20 GetCursorInfo varptr(CURSORINFO) ; 0=表示なし、1=表示あり title ""+CURSORINFO.1
ホイール回転時に通知されるウィンドウメッセージ「WM_MOUSEWHEEL」(Windows 98以降)についてはMSDNのページを参照。前回転で120の倍数値、後回転で-120の倍数値が返ります。ちなみに、HSP3にはシステム変数mousewも存在します。
; WM_MOUSEWHEEL (ホイールが回転した時) oncmd gosub *mousewheel, $20A stop *mousewheel ; wparamの上位ワードに移動量 mes ""+(wparam >> 16 & $FFFF) return
; WM_NCLBUTTONDOWN (タイトルバーがクリックされた時) oncmd gosub *nclbuttondown, $A1 ; WM_NCLBUTTONDBLCLK (タイトルバーがダブルクリックされた時) oncmd gosub *nclbuttondblclk, $A3 stop *nclbuttondown mes "クリック" return **nclbuttondblclk mes "ダブルクリック" return
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